La Chalelle de Calon – ラ・シャペル・ド・カロン【取扱ワインの紹介】
- 5月 6, 2014 12:49 pm
最近めっきり更新をサボっておりましたが(汗)、今回もお店で提供しているワインの紹介をしたいと思います。
今回のワインはこいつです!
La Chalelle de Calon – ラ・シャペル・ド・カロン
フランス、ボルドーはサンテステフのワインです。
このワインはセカンドワインといって、早い話がB級品、トップネームのワインに使うブドウを選別して、それにもれたブドウの中でいいブドウを選んで造ったワインです。
「B級のブドウじゃたいしたことないんじゃないの?」って思ったアナタ!
そもそもB級のブドウでセカンドのワインを造るという事自体が質の低いワインではあり得ません。
普通は選別にもれたブドウは処分するか、普段飲みのブレンドワインに使ったり、ブレンドワインを造るネゴシアン(醸造家)に売られます。
しかし、良質なワインを造る名のあるシャトーでは、ファーストの選別に外れたブドウでも充分良質なため(それだけファーストのブドウは厳しく選んでるんですね)、セカンド、場合によってはサードレベルまで造るシャトーもあります。
さて、では何のワインのセカンドなんでしょう?
感のいい方は名前でわかるかと思います。
そうです。ファーストは「カロン・セギュール」です。
え!? カロン・セギュール知らない?
では、ファーストのカロン・セギュールから紹介しましょう。
CH.Calon Segur – シャトー・カロン・セギュール
ほら! 見た事あるでしょ!?
このワインは、クリスマスやバレンタインデーの時期になると必ず紹介される、とってもベタな(失礼!)恋人との夜にピッタリのワインです。
理由は見ての通り、エチケット(ラベル)に描かれたハートマーク。
昔、このカロンの畑を持っていたセギュール候という人は、かの有名な1級格付け畑、「シャトー・ラトゥール」や「シャトー・ラフィット」の畑も所有していました。
しかし、セギュールさんはカロンの畑をとっても気に入っており、「僕はラトゥールやラフィットの畑も持っている。どちらも素晴らしい畑だ。でもね、僕の心の中にはいつもカロンがいるんだ。そう、僕の心はカロン!いつでも君のものだ!」とまでは言ったかどうかわかりませんが、そのように言っていたそうで、それにちなんでエチケットにハートマークが書かれたそうです。
昔のフランス人は、このワインのエピソードを使って意中の女性にプロポーズしたらしいですよ!
影のセカンドワイン
そんな素敵なエピソードを持つ、ボルドー格付け第3級の素晴らしいワイン「シャトー・カロン・セギュール」のセカンドワインです。
ここで「あれっ!?」て思った方はワイン通。実はカロンセギュールには「マルキ・ド・カロン」という正式なセカンドワインがあるんです。
ラ・シャペルは言わば影のセカンド、現在の所有者であるマダム・ガスクトンさんが、息子のために品質をマルキと同等として造った、もう一つのセカンドワインというわけです。
実は、私、カロンセギュールは17〜8年ほど前に飲んだ事ありまして、今こそ1〜2万円する高級ワインですが当時はこのセカンドくらいの金額で(5〜6千円くらい)、味も「う〜ん・・・そんなでもないなぁ・・・」という感想でした。
それから十数年、とある試飲会でこのラ・シャペルを飲んだのですが、正直ビックリしました。
あの名前が売れてるだけのカロン・セギュールのセカンドじゃたいしたことないな(思い込みも甚だしい・・・)、と思って飲んだ一口は、「え!?マジでこの値段でこの味?」と予想を遙かに上回る複雑味を持った繊細な、それでいてシッカリした味わいでした。
それもそのはず。
調べてみたら、セギュールさんが愛していたカロン・セギュールの素晴らしさは遙か昔の1960年代くらいまで。それ以降はスランプ続きだったそうです。
そして1990年代に入ってから、先出のマダム・ガスクトンさんが見事、昔のカロンのクオリティに復活させたそうで、僕が飲んだカロン・セギュールは、スランプから復活する前のものだったんですね。
きっと今のカロン・セギュールは美味しいんだろうなぁ。
と、半分くらいファーストの話でしたが、このワインのお得感が伝わりましたでしょうか?
もう一度言いますと、セカンドワインといっても、ファーストと同じ畑で、同じ条件で、同じ育て方をして出来たブドウから、最終的に2軍落ちしたブドウを使っている訳ですから、美味しいのは当たり前。
そんな僕も最近は「高級ワインのファーストは高いからセカンドでいんじゃね?」とか普通に思うようになってきました。
是非、素晴らしい香りと味わいを一度楽しんでみて下さい。
カテゴリ: ワイン
投稿者: ホソロック
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